中小企業診断士とは

 中小企業診断士は、一般的には「経営コンサルタント」として知られています。基本的に誰でも経営コンサルタントを名乗ることはできますが、中小企業診断士は経済産業省の認可登録を受けた国家資格を有する経営コンサルタントです。資格取得には、経営学やマーケティングなどの専門知識はもちろんのこと、経済学や法律など経営に関するその周辺分野の知識も要求され、この国家資格は「日本版MBA」とも称されています。

 中小企業診断士の主な業務は、その名の通り企業の経営診断が主体となります。また、さまざまな問題を抱える企業のアドバイザーとして、経営戦略や販売面、人事、会計などあらゆる側面から助言を行い、多角的に企業をサポートする経営支援もその主な業務となっております。これは医療の分野に置き換えるなら、経営診断は平常時においては定期健康診断であり、また何らかの兆候または症状が表れた際においてはその治療方針の策定や、予防のために生活習慣の改善を提案することに似ています。


 会社を運営していく上においては、会社は税理士や社会保険労務士、司法書士などに相談をする機会が多くあります。そのような経営相談において中小企業診断士は、税務や労務などそれら専門家がカバーする分野も含めて、経営に関わるあらゆる分野の専門知識を有し、企業を総合的にサポートする者として、最も適任となる専門家であると言えます。

 昨今の国際化の進展や法的規制の改正など急激な社会情勢の変化、そしてライフスタイルや消費者ニーズの多様化などによって、企業を取り巻く環境も目まぐるしく変遷しております。会社を永く経営していると、様々な障害に直面する場面が少なからずあります。何らかの問題を抱えている企業のみならず、目下安定して健全な経営を継続されている企業においても、これら何らかの変化への対応を迫られる機会が必ず訪れます。企業がそのような場面に直面した時、またはそれに備えた新たな事業への進出や組織改革を実施する際においても、中小企業診断士は経営者の最良の相談相手として重要な役割を果たすことが期待されています。

 企業経営者は孤独であるとよく言われます。日々多様で困難な経営判断を行っていく中で、経営者が相談相手を必要とする場面も多くあります。しかしながら多くの場合、相談相手自体がいなかったり、あるいは相談相手が従業員など経営者とは立場が異なる者であったり、もしくは相談相手が企業経営に関する専門知識が無い場合が多くみられます。中小企業診断士は、その専門知識を活かした適切な助言を通じて、経営者が抱えるさまざまな課題の解決に取り組んでいます。常に経営者と同じ目線に立ち、経営者が掲げる理想や目標をともに達成するために、経営者とともに尽力します。

 中小企業診断士は、経営者の心強いパートナーとして、今も数多くの企業で活躍しています。

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